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円安直撃、経済の好循環「持続するか不透明」 東京商工リサーチ社長、倒産リスクも指摘

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東京商工リサーチの河原光雄社長

東京商工リサーチの河原光雄社長が産経新聞の取材に応じ、歴史的な円安の企業への影響について、「円安が招くコスト上昇は中小・零細企業にとって厳しい」と述べた。価格転嫁も進んでおらず、疲弊する中小・零細がさらなる苦境に追い込まれ、賃金と物価がともに上昇する「経済の好循環」の持続も危うくなるとの認識を示した。

外国為替市場では4月29日に一時、1ドル=160円台と34年ぶりの水準をつけるなど、円安・ドル高が進行している。

円安に関し、河原氏は「輸出中心の大企業は大きな恩恵を受けている」とする一方、中小・零細については、「原材料や燃料などの価格高騰によるコスト上昇分を吸収し続けられない」とした。

中小・零細の経営環境は厳しさを増しているとし、円安の影響だけでなく、新型コロナウイルス対策の実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済期限が来ていることや、日本銀行の大規模金融緩和策の転換による資金調達コスト増などもネックになると指摘。「コスト上昇分の全額転嫁は全く進んでおらず、中小・零細の淘汰(とうた)圧力が高まることは避けられない」と強調した。

政府・日銀は、賃金と物価が上昇する経済の好循環が継続すると見込むが、河原氏は「経済の好循環が持続するかどうか不透明な情勢」と言及。企業の生産性・成長性での二極化が進む見通しで、大手・中堅にも「粉飾・不正などのコンプライアンス(法令順守)関連でリスクが顕在化する傾向が強まる」と語った。全国的に企業倒産が高水準で推移するとみられるという。(井上浩平)

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