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バフェット氏に民主党が熱視線、地元オマハが米大統領選の勝敗左右も

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11月の米大統領選挙は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の故郷である中西部の都市が勝敗を決めるかもしれない。こうしたシナリオを意識して、民主党内では政治と距離を置くようになったバフェット氏が再び表舞台に出て、バイデン大統領の再選を後押ししてくれるのではないかとの期待が一部で高まっている。

  バフェット氏は2016年の大統領選で、民主党のヒラリー・クリントン候補に資金を提供し、選挙集会ではクリントン氏と共に登壇して対抗馬のトランプ前大統領を批判。それ以前の数十年間も、全米の上院選で穏健派の民主党候補者に献金した。最近では19年に、下院選の民主党候補者を支援する党委員会に6桁の小切手を惜しげもなく贈った。

  だがそれ以降、連邦選挙の候補者に対するバフェット氏の献金は途絶えている。政治に関与することで想定され得る世間の反発から自身の会社や従業員を守るためだ。こうした中、バフェット氏の故郷であるネブラスカ州オマハが今年の大統領選を左右し得るという異例の状況に置かれたことで、バフェット氏の動向に一段と注目が集まっている。

オマハで開催されたクリントン氏(左)の選挙集会に登壇したバフェット氏(2015年12月16日)

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

  バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは今週末4日、オマハで年次株主総会を開く。総会に出席するため数千人の訪問者が集まるこの都市は、20年の大統領選ではバイデン氏、16年はトランプ氏が勝利した選挙区に位置している。

  ネブラスカ州は、選挙人で勝者総取り方式を採用していない2つの州のうちの1つだ。各選挙区に選挙人1人、州全体の勝者に2人が与えられる。

  ネブラスカ州自体は共和党の牙城で、1964年以降、大統領選で民主党候補が勝利したことはない。しかし、地元の民主党関係者が「青い点」と呼ぶ第2選挙区は勝算が上がるとみられている。最大の人口が集中するオマハにはリベラル派が多いためだ。

  バイデン氏が本選で、民主党寄りの州をすべて確実に押さえ、激戦州のミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州を制し、オマハがある選挙区の選挙人を1人獲得できれば、南部の激戦州であるアリゾナ、ジョージア、ネバダ、ノースカロライナ各州を落としても、再選を果たすことが可能になる計算だ。

  こうした見立ては20年の大統領選時とは異なる。最新の国勢調査で判明した各州の人口を反映させるために、選挙人の票の配分が変更されたためだ。

  民主党内では「ジョーマハ 」と呼ばれるこの都市で、バイデン氏は勝利が期待できるとの声が出ている。しかし、民主党のアプローチには欠陥があるとの指摘もある。

オマハ市内の建物に掲げられた「バイデン-ハリス」の看板(4月5日撮影)

Photographer: Dan Brouillette/Bloomberg

  一方、共和党はこのような事態を避けようと躍起だ。保守派のアクティビスト、チャーリー・カーク氏は、ネブラスカ州を勝者総取りの州に戻そうとする取り組みを復活させている。

オマハで開催された選挙集会でトランプ氏の登場を待つ支持者ら(2020年10月27日)

Photographer: Steve Pope/Getty Images 

  ネブラスカ大学オマハ校の元教授で、同州で民主党の選挙活動に携わってきたポール・ランドウ氏は「バフェット氏は関与していないし、関与するつもりもないと聞いている」と語った。

  バフェット氏は22年、経営者や企業が政治に関与することについて質問され、「いかなるテーマについて発言するとしても、一時的に人々を幸せにするより、持続的により多くの人を怒らせるということを学んだ」と回答。自身の経営する会社に怒りの矛先が向かい、従業員や株主に打撃を与えるだろうと続けた。

  その上で「そういうことはしないと決めている。もしそうしたいのなら、自分は仕事を辞めるべきだ」と述べている。

  バフェット氏は、バークシャーの年次株主総会を前に、本記事に関するインタビュー依頼を拒否したが、声明文でトランプ氏とバイデン氏のいずれも同選挙区で勝利する可能性があると述べた。

原題:Warren Buffett in Focus as Democrats Seek Key 2024 Win in Omaha(抜粋)

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