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3日の外国為替市場で円が対ドルで上昇。一時1ドル=151円86銭と、上昇幅は1%を超えた。4月の米雇用統計が市場予想を下回ったことから、早期の利下げ観測が広がり、ドルは下落。日本当局が再び円買い介入に踏み切るとの警戒感はいったん和らいだ。円はその後、上げ幅を縮小した。 4月の非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増と、6カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。失業率は3.9%に上昇し、賃金は伸びが鈍化した。利下げ開始時期については、早ければ9月との見方が強まり、従来の11月から前倒しされた。市場はまた、年内に25bpの利下げが2回あるとの見方を再び織り込んだ。 米雇用者数、6カ月ぶりの小幅な伸び-失業率は予想外に上昇 (3) ミーラ・チャンダン氏らJPモルガン・チェースの通貨アナリストは「ドルに対する当社の強気な見方は2つの柱に基づいている。キャリーと米国例外主義だ。前者はまだ損なわれていないが、後者はいくらか輝きを失いつつあるようだ。ポジションが混み合っていることと、バリュエーションを踏まえると、ドルのロングを戦術的に減らすことが賢明だ」と話した。 ペッパーストーン・グループ(ロンドン)のリサーチャー、マイケル・ブラウン氏は米雇用統計は「日本の財務省と円安を阻止する彼らの闘いにとっては朗報だ」と述べた。 エクイティ・キャピタル(ロンドン)の主任マクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は「日本の当局による相次ぐ為替介入の脅威がドル・円に圧力をかけているのは明らかだ」と指摘。「今回の雇用統計は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利下げの可能性を示唆したことを裏付けるものであり、それは円にとっては有利に働くだろう」と語った。 ソシエテ・ジェネラルのキット・ジャックス氏は「一般的に、また米金融政策にとっても、消費者物価指数(CPI)の方が非農業部門雇用者数のデータよりもはるかに重要ではないかと考える。先月には、今回よりも強い雇用者数の発表後にドルは売られ、CPIのデータ公表後に上昇していた」と述べた。 【米雇用統計】FRB再び笑顔、利下げ観測広がる-市場関係者の見方 米株式相場は続伸。米雇用市場の減速が示され、年内の利下げ観測が復活した。米国債利回りは低下した。 S&P500種株価指数は2月以来の大幅高。前日の引け後に決算を公表したアップルが大きく買われたことも、相場全体を支えた。大型ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は2%上昇。「恐怖指数」として知られるCBOEボラティリティー指数(VIX)は、約1カ月ぶりの水準に低下した。 予想を下回る雇用者数の数字や賃金の伸び鈍化は、スタグフレーションやリセッション(景気後退)を巡る投資家の懸念を和らげた。景気は緩やかに減速しており、データ次第の姿勢を示している米金融当局は9月にも利下げ開始が可能になるとの見方を後押しした。 インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トレス氏は「雇用者数が予想を下回ったことで、バトンは強気派に渡される」と指摘。「次の金融政策行動までの距離が短くなることをデータが示唆し、相場は力強く上昇している」と話した。 雇用やサービス業、製造業といった経済の主要部門の減速を背景に、実際の発表データと事前予想との乖離(かいり)を指数化したシティグループの米エコノミック・サプライズ指数は2023年2月以来の低水準となった。 S&P500種株価指数 出所:ブルームバーグ 米国債は上昇。米金融政策見通しに最も敏感な2年債利回りは一時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.71%となった。 カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏は「予想より低調な雇用統計は、インフレを高止まりさせるような熱が経済にないことを示唆しており、年内利下げの確率を高める」と述べた。 シカゴ連銀のグールズビー総裁は、この日発表されたような雇用統計が増えれば、景気が過熱していないという安心感が得られるとの考えを表明。ボウマンFRB理事は、インフレ率は「しばらくの間」高止まりする可能性が高いが、金利を現在の水準で維持してもいずれは減速すると予想している。 この日別に発表された4月のISM非製造業総合景況指数は、市場の予想外に活動縮小を示した。縮小圏に沈むのは2022年以来。業況指数が4年ぶりの水準に落ち込み、仕入れ価格指数は上昇した。 ニューヨーク原油先物相場は5日続落。週間ベースで2月以来の大幅安となった。中東の地政学的リスクが若干低下した兆しを受け、相場に下押し圧力が働いている。 イスラム組織ハマスは対イスラエル停戦の提案を「前向き」に検討していると表明済み。原油相場に織り込まれてきた地政学的リスクプレミアムが縮小している。 不確実な金利見通しも原油相場への重しとなっている。ボウマンFRB理事は「しばらくの間はインフレの高止まりを予想している」と述べた。 WTI原油先物の週間騰落率 出所:NYMEX ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は、前日比84セント(1.1%)安い1バレル=78.11ドル。3月中旬以来の安値で終了した。週間ベースの下落率は7%近くとなった。 ロンドンICEの北海ブレント7月限は71セント安の82.96ドルで終えた。 金スポット相場は続落。米雇用統計の発表後に米国債利回りが低下し、ドルが下落したことを受けて一時0.7%上昇する場面もあったが、利益確定の動きが広がった。 サクソバンクの商品戦略責任者オレ・ハンセン氏は雇用統計について、「経済データは軟化しているが高インフレは根強いという米金融当局のジレンマを浮き彫りにした」と指摘。「金相場が突然反転し下落したことは、現在の値固めと相場調整がなお続く可能性を示唆した」と述べた。 金スポット価格はニューヨーク時間午後3時20分現在、前日比0.2%安の1オンス=2299.92ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は1ドル(0.1%未満)安い2308.60ドルで引けた。 原題:Dollar Set to Register Its Worst Week in Two Months: Inside G-10(抜粋) Yen Rally Takes Pressure Off Japan to Prop Up Battered Currency(抜粋) Stock Bulls Back in Charge as Jobs Fuel Fed Bets: Markets Wrap(抜粋) Fading War Risks Push Oil to Biggest Weekly Drop Since February(抜粋) Gold Declines as Traders Mull Fed Rate Path After US Jobs Data(抜粋)