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母「こんな院長だから息子は死んだ」 医師過労自殺の損賠訴訟 | 毎日新聞

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記者会見で、高島晨伍さんの遺影を前に「命を預ける医師の過労死を自分事として考えて」と訴える母淳子さん=大阪市北区で2024年4月22日、土田暁彦撮影

 「甲南医療センター」(神戸市東灘区)の医師、高島晨伍(しんご)さん(当時26歳)が2022年に過労自殺したのは長時間労働が放置されたことが原因だとして、両親が運営法人と院長に計約2億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、大阪地裁(林潤裁判長)であり、病院側は請求を棄却するよう求めた。

 訴状によると、専攻医として勤務する高島さんは22年5月17日、神戸市内の自宅で自殺した。西宮労働基準監督署は23年6月、長時間労働でうつ病を発症したのが原因だとして労災と認定した。遺族側は、高島さんは診療のほか学会発表の準備に追われ、死亡直前の1カ月間の時間外労働が236時間に上り、連続勤務日数も100日間に及んだと主張する。

 病院側は答弁書で「高島さんに課された業務は標準的で、学会発表の準備はそもそも労働ではない」と反論。高島さんは勤務医としての労働者と、自ら選んだ研修生の二つの立場があり、在院時間の全てが労働時間ではないと説明し、自殺を予見することも不可能だとした。

 母淳子さん(61)は意見陳述で「センターには晨伍の亡くなる1年前には過酷な労働環境にあった専攻医が改善を嘆願していたが、隠蔽(いんぺい)され、晨伍の悲劇を招いた」と訴えた。弁論後の記者会見で「(病院側の答弁書を読み)このような院長らだから、晨伍は死んだと思いました。かわいそうなことをしました」と声を震わせた。【土田暁彦】

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