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【番記者の視点】痛恨?及第点?横浜FMのC大阪戦ドローを語る上での「点」と「線」、そして上島拓巳について - スポーツ報知

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◆明治安田J1リーグ▽第10節 C大阪2―2横浜FM(27日・ヨドコウ桜スタジアム)

 横浜FMはC大阪と2―2で引き分けた。

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 1―0から1―1、2―1から2―2。2度のリードを追いつかれてのドローなので、決して胸を張れる結果ではない。失点の仕方も良くなかった。

 しかし、ACL120分の激闘から中2日、相手は試合前時点で2位、しかも長距離移動を伴うアウェー戦ということを考えれば、勝ち点1は悪くない。全然、悪くない。カップ戦はともかく、リーグ戦は「点」ではなく「線」で捉えることも重要だ。

 出番に恵まれなかった選手が多く出場したが、中2、3日での連戦が続いたということは、この間練習時間も少なく、実戦的なトレーニングはほとんどできなかったということ。

 ターンオーバーにトライした試合では、普段ベンチスタートが多い選手よりも、ベンチ外が続いていた選手の方が好パフォーマンスを発揮する傾向がよく見られる。ベンチスタートの選手は試合日に十分な練習ができないため、調整が難しいことに由来する。

 難しい状況の中、いいパフォーマンスが発揮できた選手も、そうでない選手もいたが、総じて下を向く必要はない。「2度、追いつかれた」と捉えることも重要だが、ベストメンバーが組めない中で迎えた敵地のC大阪戦で「1度も追いかける展開にならなかった」と捉えることもできる。キューウェル監督も、会見冒頭の一言目こそ「残念な気持ちでいっぱい」から始まったが「重要なのは負けなかったことだ」という言葉で総括を締めた。

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 最後に、蔚山戦で退場処分を受け、強い覚悟を持ってこの試合に臨んだ上島拓巳について。お世辞にも、好パフォーマンスが発揮できたとは言い難かった。。

 「ACLでチームに迷惑をかけてしまった後の試合で、いいパフォーマンスをしたいと思っていたが、反省すべき点が多く見つかってしまい、悔しい結果になった。リバウンドメンタリティーを結果で示したかったが、そうはならなかった。GWの試合では(自分の力を)還元したいと思います」

 プロの世界は厳しい。そんなに簡単にはいかないし、ドラマのような展開はそうそう起きない。

 ただ、これについても、「点」ではなく「線」で見ることが重要だ。シーズンは長い。「悔しさを糧に」だとか「苦難を乗り越えて」だとか、そのような文脈は「点」より「線」で見えてくるものであり、そちらの方が本質だ。今後の彼のパフォーマンスに期待したい。(横浜FM担当・岡島 智哉)

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