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専攻医過労自殺、初弁論で医療センター側が過重労働を否定…「自己研さん」と労働の線引き争点

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 甲南医療センター(神戸市東灘区)の専攻医(旧後期研修医)が過労自殺した問題で、専攻医の両親がセンターを運営する「甲南会」と同会代表理事の 具英成(ぐえいせい) 院長に約2億3400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、大阪地裁(林潤裁判長)であり、センター側は過重労働を否定し、請求棄却を求めた。医師が知識や技能を習得するための「自己研さん」と労働との線引きが争点となる。

甲南医療センターの運営法人と理事長に対して提訴し、記者会見する高島晨伍さんの兄。手元には遺品の白衣などが置かれていた(2月2日、大阪市北区の司法記者クラブで)

 高島 晨伍(しんご) さん(当時26歳)は2022年4月以降、センターの専攻医として研修を受けながら、診療していた。同年5月に自殺し、昨年6月、長時間労働による精神障害が原因だとして労災認定された。両親は今年2月、センターが過重労働を把握しながら放置したとして、提訴した。

 センター側は答弁書で、高島さんの死亡前1か月間の時間外労働が約207時間とした労働基準監督署の認定について、「病院にいた時間のほぼ全てを労働時間としており、誤りがある」と主張。専門医資格取得のための研修プログラムや学会発表の準備は自主的な取り組みで、労働に当たらないとし、「心身の健康を損ねる恐れのある業務に従事させた事実は一切ない」とした。

 両親側は、高島さんが学会発表のためのスライド作成を上の立場の指導医から指示されていたとし、「業務量が多すぎてスライド作成が困難な状況になり、重圧や不安を感じていた」と反論した。

 医師の自己研さんについては、厚生労働省は通達で、上司からの指示がなく、業務との関連がない場合は労働にあたらないとしている。

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