Original source (on modern site) | Article images: [1] [2]
画像提供, ATASH SHAKARAMI 2024年5月3日 イランで2022年に反政府デモに参加した後に死亡した10代の少女が、イラン治安部隊に所属する男性3人に性加害を受けて殺害されたとする報告書の内容をBBCが報じたことを受け、イラン司法当局は1日、「複数のジャーナリストと活動家」を訴追した。 「極秘」と書かれた報告書には、革命防衛隊(IRGC)に拘束されたシャカラミさんに対する聴取の内容がまとめられていた。シャカラミさんを殺害したとされる人物や、真実を隠そうとしたとされる上官の名前も含まれていた。 BBCアイでは、この報告書の内容を調べるだけでなく、これが信頼に足るものなのかも調査した。 司法当局が運営するミザン通信は、BBCアイの調査は「捏造(ねつぞう)で不正確で間違いだらけ」だと伝えた。 同通信は複数の人物が「社会の心理的安全性を乱した」容疑で呼び出されたとしているが、身元は明らかにしていない。 しかし、報道についてオンライン上でコメントした2人のイラン人ジャーナリストは、検察が自分たちに対して捜査を開始したとしている。 そのうちの1人のモハマド・パルシ氏は、「ニカ・シャカラミとその殺害の詳細に関する記事」を掲載したことに絡み、テヘランの検察庁に呼び出されたと、ソーシャルメディアに投稿した。 もう1人のジャーナリスト、マルズィエフ・マフムディ氏は「容疑も詳細も不明」だと投稿した。「敵の陰謀」と
イランのアフマド・ヴァヒディ内相は1日、BBCの調査結果はイランの敵による陰謀だと断じた。イランの政府高官が報道について公の場でコメントしたのは内相が初めて。
ヴァヒディ氏は記者団に対し、「敵国とそのメディアは、心理作戦を実行するために虚偽で、非現実的な報道を用いている」と述べたと、国営メディアは伝えた。
また、アメリカで現在起きている親パレスチナ抗議行動や、先月のイランによるミサイルやドローン(無人機)を使ったイスラエル攻撃から「注意をそらそうとする試み」だと主張したという。
ヴァヒディ氏と司法当局の声明について、BBCニュースは即座にはコメントしていない。
シャカラミさんは、2年前にイランを揺るがした「女性、生命、自由」抗議運動の象徴となった。
シャカラミさんについては、行方不明になる数時間前までデモに参加していたことがわかっている。2022年9月20日夕方、テヘラン中心部のラレ・パークで、ゴミ箱の上に立ってスカーフを燃やしているところを撮影されていた。
周囲では人々が、「独裁者に死を」などと反政権のスローガンを唱えている。ここでは「独裁者」は、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を指している。
シャカラミさんは当時、自分が監視されていたことには気づいていなかった。監視については今回の極秘報告書にはっきりと書かれている。
シャカラミさんのおばは以前BBCペルシャ語の取材で、シャカラミさんがその夜に友人に電話をかけ、治安部隊に追われていると言ったと語っていた。
シャカラミさんは電話をした後、姿を消した。
シャカラミさんが行方不明になって1週間以上たってから、家族は遺体安置所でシャカラミさんの遺体を発見した。しかし、イラン当局はシャカラミさんの死と抗議デモの関連を否定。独自調査の末、シャカラミさんは自死したと結論付けた。
極秘報告書には、治安部隊が覆面車両の後部座席でシャカラミさんを拘束したときの不穏な出来事が詳細に書かれている。
IRGCの将校はシャカラミさんの遺体を路上に捨てるよう指示したという。
BBCは、多数の偽のイラン公文書が出回っていることを認めつつ、「広範な調査の結果、我々が入手した書類には確かに、10代少女(シャカラミさん)の最後の動きが記録されていることが示された」と報じた。
BBCはこの疑惑について公表する前にIRGCとイラン政府に問い合わせたが、回答はなかった。
< Back to 68k.news JP front page