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北條五代祭り 小田原で5月3日、5年ぶり出陣式:東京新聞 TOKYO Web

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勇壮な武者行列=いずれも昨年5月、小田原市で

 5代続いた戦国大名小田原北条氏を顕彰する「小田原北條五代祭り」が3日、神奈川県小田原市の小田原城一帯で開かれる。60回目となる今回は5年ぶりに出陣式を行う。コロナ禍で4年ぶりに本格開催した昨年の人出は過去最多の26万人だった。

馬上で手を振る合田さん

 呼び物の武者行列・パレードは市民ら1700人が参加。初代早雲役に県立小田原高校出身の合田雅吏さん、4代氏政役にNHKの大河ドラマ「真田丸」でも演じた高嶋政伸さん、5代氏直役に地元出身の柳沢慎吾さんの俳優3人が扮(ふん)する。

 出陣式は午前11時10分~午後0時20分、小田原城銅門広場。その後、周辺を2時間パレードする。コース上の各ポイントで鉄砲演技、風魔忍者パフォーマンス、和太鼓演奏、小田原ちょうちん踊りなどがある。詳細は市観光協会のサイトに掲載している。

 60回記念ゲストとして、歌舞伎「外郎売(ういろううり)」で小田原と縁がある13代目市川團十郎(だんじゅうろう)さんの長女の4代目市川ぼたんさん、長男の8代目市川新之助さんも出演。それぞれ早雲の姉北川殿役、若い頃の早雲(伊勢新九郎)役を務める。

 市内に現存する日本最古の製薬・製菓会社「ういろう」を営む外郎家によると、京都にいた5代目は1504年、早雲に招かれて小田原へ移住した。外郎家は中国・元の滅亡時に亡命してきた元高官を初祖とし、中国でも千数百年続いていた医薬師の家系という。室町幕府の高級官僚だった早雲は、疫病対策が国造りに不可欠と判断したらしい。

 早雲は06年には戦国大名で初めて、田畑の面積や収量を調べる検地を実施。税の減免は5代通じて貫かれた。代官らの中間搾取を禁じる当主印「禄寿応穏(ろくじゅおうおん)」は、領民の財産と命を保証する理念を表す。小田原城の無血開城で戦国時代が終わり、小田原北条氏は滅亡したものの、中世に比べて死者数が大幅に減る近世の幕を開けた。

 小田原合戦には豊臣秀吉の命で全国の大名が集結。堀と土塁で町全体を守る戦国最大の城郭、小田原城総構(そうがまえ)(周囲9キロメートル)や日本最古の水道「早川上水」など難攻不落の籠城戦を支えた都市基盤はその後、江戸の上水整備をはじめ各地の町づくりに影響を与えた。

 一夜城伝説や小田原評定などの誤解やマイナスイメージが強いため、市や観光協会は祭りや各種イベントを通じて、北条五代の実像を伝えていく。(西岡聖雄)



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