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【石川】避難長期化「集落なくなる」 住民3~5割超 別の場所に:北陸中日新聞Web

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集落消滅の不安を口にする河内町会長の井平秀一さん=石川県七尾市中島町河内で

今も断水 中島・河内

家屋倒壊、津波 能登島東部

 能登半島地震で一時孤立状態になった石川県七尾市の中島町河内(かわち)地区や能登島東部では、断水の長期化もあり、今も避難している住民が多くいる。特に半数以上の住民が戻っていない河内地区では人口減少の加速、集落消滅の不安も募る。 (児島恵美、大野沙羅)

 河内地区では地震による山崩れで県道が遮断されて一時孤立。41世帯約80人から14世帯約30人に減った。今も断水が続き、多くの住民が市内の別の場所や金沢、東京などで避難を余儀なくされている。電気は1月中旬に復旧したが、山の水をためて飲料水としてろ過するためのタンクが故障。水道の復旧には時間がかかり、5月中旬を見込む。

 山崩れの土砂の撤去が進み、3月中旬にようやく一般車両が通行できるようになった。避難所から自宅へ戻った町会長の井平秀一さん(65)はわき水をホースで引きトイレや風呂など生活水として使っているが「飲み水にはならない。水道が通らないと何も始まらない」。集落の多くの全壊、半壊状態の家屋は片付けが進まず、空き巣など治安悪化への不安もある。

 築150年以上の家に暮らす井平さんは「先祖が残してくれた大切な家。修理して余生はここで全うしたい。でも、集落が10軒以下になったら、移住を考えるかも」と寂しげに語る。

 能登島では、地震翌日まで島を出る二つの橋が通行止めに。特に東部にある八ケ崎町、鰀目(えのめ)町、野崎町、長崎町は家屋倒壊や道路の寸断などの甚大な被害を受けた。4月までに断水は解消したが、宅内で水漏れしている人もいて、いずれの町も3分の1の住民が島外や仮設住宅などに避難している。長崎町の室屋繁昭町会長(71)は「高齢者ばかりで空き家もどんどん増える。皆戻ってきてくれるだろうか」と懸念する。

 八ケ崎町は津波被害もあり、後藤純一町会長(68)によると、22世帯のうち半数が自宅を解体する予定だ。既に「もうここには住めない」と離れることを決めた住民が2世帯いる。妻と島内の仮設住宅に入居した後藤町会長は「生まれ育ったこの土地を離れるつもりはないが、人がいなければ集落がなくなってしまう」と不安を漏らす。

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